斎城 つかさ

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 私が一人でいたいと思う理由は、心のエネルギーを回復するためだ。


 人と過ごすことで消耗する内向的な性格の人間にとっては、至極在り来りな理由である。人間の外向性、内向性の説明は専門書に任せるとして、自分がどのように心のエネルギーを回復するのかについて書きたいと思う。

 まず、私は自分と他人との境界線、ひいては自分(内界)と世界(外界)との境界線がハッキリしている。外界には素敵なもの、楽しいものがいっぱいあるが、中には刺激が強すぎるものや自分を傷つける危険もたくさんある。逆に人を傷つけてしまうこともあるかもしれない。それに対し、内界は言わばシェルターである。私が1人で過ごすことを「自分の中に籠もる」と表現するのはそのためである。

 刺激が多い外界から切り離され、自分の内面世界に目を向ける。外界で得た情報を整理・分析し、自分はそれついてどう思うのか、自分の思想に耽る。内界には自分を傷つけるものはない。何を考えようと何を想像しようと、罪に問われることはない。時に自責や自嘲をすることがあっても、それは自分の想像の域を出ず、自分を傷つけるには取るに足らない。自分の影とのごっこ遊びのようなものである。

 このように思案に耽っていると、次第に内界で起きたこと(考えたこと)を「誰かに話したい」と思ったり、「次はこういうことがしたい」と思うようになったりする。こうして外界で活動する行動力、即ち私にとっての心のエネルギーが生まれる。

 しかし、思案に耽りすぎると今度は頭が疲れる。私は思考を止めることが苦手だ。常に何かしら考えてしまう。そういう時は、思考が入り込む余地がないくらい何かに没頭する。これが実に癒し効果が高い。私の趣味に1人でするものが多いのはこのためだと思う。


 心のエネルギーが切れるとどうなるか。内界が外界に漏れ出す。人と居ても自分の心にしか目がいかなくなり、人を思い遣る気持ちがなくなってしまう。



 私は、自分の周りの自分の好きな人達に優しくあるために、"一人でいたい"。

7/31/2024, 1:17:13 PM