初心者太郎

Open App

—小さな読者—

『厳正な選考の結果、残念ながら今回は掲載・採用は見送らせていただくこととなりました——』

何度目かわからない、漫画の落選通知。

『夢を追う勇気があれば、すべての夢は実現する』と、ある有名人はいった。
少なくとも、私には難しかったらしい。

「あっ……」

自室で自分が描いた原稿を読み返していると、窓を開けていたせいで、風に吹かれて飛ばされてしまった。

どうせ落ちた漫画なんだ、と思い気にしなかった。

「すごい!」

ふいに、窓から声が入ってきた。
顔を覗かせると、小学生くらいの男の子が私の漫画を手にして読んでいる。

「これ、お姉ちゃんが描いたの?」

私に気づいた男の子は、訊いてきた。

「うん……」
「すごくおもしろい!」

その一言で、目頭が熱くなった。
諦めようとしていた夢に、もう一度向かってみようと思った。

この世界には、意外と夢や希望が転がっているのかもしれない。
私は紙を取り出し、ペンを握った。

お題:この世界は

1/16/2026, 6:32:34 AM