夢と現実
絶えず通知音が薄暗い部屋に鳴り響いている。暫しそれをぼんやりと眺め、けれども手に取る気力もなく億劫そうに瞼を閉じた。大方、連絡の内容は先日の口喧嘩のことだろう。
今回の喧嘩だってあっちが予定を突然ドタキャンしてきたから、それに物申しただけなのに。きっと、謝りもせずに言い訳ばかりを並べて、最後には逆ギレを噛ますのだろう。最近の流れはこればっかだ。うんざりだ。けれど、けれども。喧嘩が絶えなくなる前の楽しかった思い出や、あんなやつでもいい所あるしな、なんて馬鹿らしい考えが頭を鈍らせるから仕様がない。理性では、さっさと見切りをつけることが最善であるとわかっている。だけど、どこかで以前の関係に戻れるのではないかと期待を拭えないのも確かで。
あんなやつのどこがいいのか。いや、でもああ見えて可愛いところもあるし。それでも、許せないことは多くあって。思考は堂々巡りを続ける。
けれども、完全に切り捨てられずにいるのも自分で。
今日も貴方という夢から逃げるために睡眠薬に手を伸ばした。
12/4/2023, 10:53:34 AM