六月の帰路

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昔行った公園 どこかに置いてきた自転車の鍵
遊具のてっぺんから堕ちる夢を見た
夏の唯一の冬が、また私の目の前に現れた。
いつも君が、夕暮れのチャイムで思い出させる
あの頃のひぐらしが 一つの全て
君が死んだ時、一緒に死んでいればいい

また夏の逃避行を夢見ていた
季節が移り変わるなんて嘘だった。
離れていった冬 私を繋げていたはず
結局どこも同じ場所 冷たい涙が梅雨みたいだった。
花が戦争に 青い鳥がアンパンを咥えてたんだ
主語がない本を読んで完結してしまうんだ
命は僕に嘘をついて、そのまま死んじゃって
正直にはならないままで散っていく
夏休みになった頃の思い出は お墓参りの草木が繁る時
命は残らない もう居ない 誰も彼もまた居なくなる
背中に咲いた曼珠沙華が慌ただしくて
命が消えて芽吹くのは 全部、
夏のせいだった

手を包むと暖かいのに
風は透明に消えていく 木漏れ日が差し込むカーテンに
白い花が写っているのを見るのが好きだった。
いつかの朝焼けを 誰も覚えてない事をただ
手に包んで消してしまった最後に
暖かい布団に包まれて、ブランコに揺られている気分でいる また戻って、進んで、 戻って、進んで また、戻って 。
あの時みたいに上手くいかないこと なんで冬は
何も教えてくれないのか 目を瞑って
分からないフリしてた 分からないのに
分からなかったままで 心拍はスっと完結するだけ。



11/11/2022, 3:02:59 PM