みんみんどり

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学生の話
激重感情を抱えることの代償。

───

(あ゛〜、好きすぎる、無理)

私は(説明が難しいが)隣の隣の席の男子に思いを馳せている。
多分、私が彼のことが好きなことは本人も知っているんじゃないかと思う。理由は単純、距離がバグってる。
近づく以外にいい距離の詰め方が分からないのだ。策士っぽい事もできないし、真っ向勝負で挑むしかできない。無念。

そんな私に、ある日転機がきた。

それは、私と彼の間の席にいるクラスメイトが休んだことだった。
それだけ?って思った人。私もそう思う。

それだけの事に、私は影で心の声をこぼしているのだ。
席が空いたことで、彼の横顔が見えるという事実が私の脳を埋め尽くす。

もし付き合えたら、幸せなんだろうか。

───

正直、授業なんて聞いてられない。

そう思ってぼーっと外を眺めていたら、机がガタガタと動く音がした。
みんなの方を見ると、グループワークが始まるみたいだった。隣の子いないから…あれ、これもしかして…

「そこは隣の班に移動して」

隣の班…


ん゛ーーーーーーーーーーー?!?!?!?!?!?


その班には、彼が、私の好きな人が、いた。
しかも席は、彼の真ん前。えこれ死ぬやつ?

移動するだけなのに、今この状況に立たされただけで今日のエネルギーを全て使い果たした気がする。

傍から見たら移動なんて簡単なことだけど、私からすれば重大事項。


私は体中から小さな勇気を必死にかき集めて、大きな一歩を踏み出した。



20250127   【小さな勇気】

1/27/2025, 2:29:14 PM