春から高校生。
私は、期待を胸に校門に足を踏み入れた。
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教室は広かった。
知らない生徒が沢山いて、皆が緊張しているのがすぐ伝わった。
『今日からこのクラスを担当する柳田です。何か分からないことがあれば相談してください。
この後は学年で体育館に集まってこの学校の校則やルールについて説明会が行われるので各自先生の指示に従って行動してください。』
先生の堅苦しい挨拶と説明が終わると、皆が廊下へと並んだ。
体育館に向かうまでの道のりは、空気が重かった。
〈では、この学校の校則、ルールを説明します。〉
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あの日から半年が経った。
だんだんクラスの皆も打ち解け初め、学校の行事に向けて一致団結を目指している。
が、私はクラスに馴染めていない。
いや、正しく言うと私はクラスでは凄く浮いていた。
『立華さん、スカートが短いですよ。』
「はあ?笑お前に関係ないじゃん。てか、別にスカート短いからって何かに支障出んの?笑」
『スカートを折らない、切らない、これはこの学校のルールであり校則です。』
「うるさ、笑ルールばっか。きめーんだよ。」
〈ねえ、正直さ立華さんって浮いてるよね笑〉
〈わかるー、笑何か1人だけ不良っていうかギャルっていうの?クラスに馴染めてない感あるよねー笑〉
「(聞こえてんだよ。陰キャのくせに。)」
『おい!立華!お前それネイルしてるんじゃないのか?お前自分が何やってるのかわかってんのか!!!』
「うっせーよジジイ!!ネイルして何がわりいーんだよ!!」
『おい!立華!!!待て!!』
〈うわー笑また立華怒られてんじゃん、笑 あいつまじで怖ぇ。〉
『立華さん、あなた髪を染めてるわよね!!この学校は髪を染めてはいけないはずよ!!ルールを守りなさい。』
「おめーに関係ねーだろーが!!ババアのくせに調子乗んなよ!しね!!!」
〈立華って怖いよな〉
〈あいつキモくね〉
〈調子乗んなよな〉
〈イキり〉
〈馬鹿〉
《死ねよ。》
「ルールとか校則とか、知らねーよ。」
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学校の帰り道だった。いつも通るコンビニの前に、たむろしてるJKが3人居た。
そこに居る3人は制服も可愛くて髪も派手髪で、スカートも短くてネイルもしてた。
スクバも私より沢山デコってたし、スマホもジャラジャラで派手だった。
「羨ましい。」口に出すつもりはなかった。
『え?』
3人がこっちを見た。
そして、コソコソ話しながら私に近づいてこう言ってきた。
『良かったら友達にならない?』
そこから私は高校生になって初めて友達ができた。
自分と同じような髪色、髪型。
同じ好み、同じ趣味。
「ねえ美優今日カラオケ行かない?」
「おーアリ。笑」
「つーか美優だけ高校違うのまじ萎えるよねー」
「がちそれな!!美優がもっと頭良ければうちらの高校これたのにねー。」
「はうざ笑私の高校校則厳しいけどルールなんて破るためにあんだから破ってなんぼっしょ」
「おー、笑!美優つよ笑」
「うちらってほんと気合うし最高!!美優が言ってる通りルールなんか守ってもなんにもなんねーしな。」
『スカートは切らない、折らない』
『ネイルしちゃダメ』
『派手髪ダメ』
『学校抜け出したらダメ』
『スクバデコっちゃダメ』
『お菓子持ってきちゃダメ』
『授業中スマホいじったらダメ』
ほとんどの校則、ルールを破ってきた。
色んなヤツらに悪口もめちゃくちゃ言われてきた。
けど、昔からそんなん気にしない精神だし優等生な真面目ちゃんにならなかったおかげで、今友達とカラオケに来れてる。
正直、ルールなんていらないし守らなくていい。
私は、私の人生をいくから。
"ルール"
4/24/2024, 6:21:12 PM