一森くま

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またね!

そう言って私は彼女との未来を手放した。

ずっと長い付き合い。

彼女はきっと、親友だった。





友情が執着に見え始めたのは

彼女から私への、言葉遣いの忠告だった。

それで、とか、だから、とか

そういう接続詞ひとつの問題だった。

親か誰かに、言われ続けたネガティブワードの一つなのだと思う。





ようするに、私のどこかが気に食わないのだろう。

私は彼女にはコントロールできない。

2人で同じ景色を見たかみないか、同じ思想、感覚を持って仲良くするなんていうことはそもそもはなから難しい。

彼女は私に幻想を抱いていたし
何年も前に会った私はもうそこにはいないのだ。



私を失いたくない、というよりは
割と本音を言い合えた旧知の仲である存在が自分から離れていくことへの執着を感じたのだった。


私が思うこと、感じることを止めさせたり
言葉を矯正する人を、私は友達とは呼ばない。


私の中でも友達の基準がいつしか変わっていたのだ。

お互いの生活や暮らしを続けていった先に
たまに、ごはんをたべたり、お茶をするくらいでいい。
どうにかしてほしいなんて思わない。


さよなら、彼女の中の私。

またね!なんて多分ない。


こうやって自我を思い知ることもある。
曲げられないこと、思わざるを得ないことが
私の中の確かな個性なのだと知る。




3/31/2025, 11:04:01 PM