風を切って硬いものが飛んでくる音がした。主である少女剣士より、隣の青年が先に飛来物に気が付いて打ち落とす。
塗装の剥げた地面に落ちたのはこの世界でのコインだった。布に入っている。
「罰当たりな…」
青年がやたら日本人の感性に沿って呟くと、隣の少女がふふ、と笑った。
投げた相手は、繁華街の2階から見下ろしていた。大柄な男が三人。側に商売女を連れている。
「やるよ褒美だ」
金袋を拾ったのは少女だった。中は端金。ずいぶんと軽く見られたものだ。
「うまかったぜお前。また買ってやるよ」
隣に侍らした女がくすくすと笑う。屈辱的だが、青年はもちろん少女も微動だしない。
「毎度」
「もっと今度は愛嬌付けてこいよ」
男たちは何がおかしいのか、朝から酒を食らっているのかゲラゲラと笑っている。
「いくよ」
「はい、なんか言ってますが…あいつら」
「いいんだよ」
少女は金を身衣にしまい荷物を背負い直す。主が言わぬなら自分も何も言うまい。青年も後ろにぴたりと付いて歩き出した。
ずっと隣で
3/14/2026, 2:43:16 AM