ここではないどこかに私を連れ出してよ冗談交じりに言った彼女の言葉がなんだか重い言葉に聞こえて紅茶を入れる僕の手が止まりそうになった。ここの屋敷に仕えてる以上当主に逆らうことは出来ない。困った顔を出してしまったのか彼女は嘘だよなんて少しの悲しさを見せて僕が入れた紅茶を飲んだ。彼女に幸せが訪れますように僕はそう願うしか無かった。結局僕はただの執事に過ぎないのだから。─────『ここではないどこか』
6/27/2024, 11:08:46 PM