仕事をやめた
あの人は言った
「こんな時期にやめるなんて信じられない」
体調が悪く、
面接会に行かなかった
あの人は言った
「いつまでそうしてるつもりなの?甘えているわ」
「みんな身体を壊しながら頑張っているのに」
あの人は言った 何かしらを
顔も見たくないとか 認めないとか そのようなことを
見なければいいし
認めなければいい
そのうち、あの人たちはどこかに行ってしまった
仕事をやめたとき
行きたくない用事を休んだとき
わたしの身体は言った
「ゆっくりしてくれてありがとう」
「おかげでゆっくり空気が吸える。助かるわ」
お茶がおいしかった
わたしの身体はどこへも行かなかった
あの人たちとは違って
いつまでもわたしのそばにいた
見て聴いて触って味わって嗅いで
わたしの身体はここにいた
きっと死ぬまで一緒だろう
9/26/2025, 3:17:12 AM