【心と心】
兄さん、親愛なる兄さん。
僕はついに、あなたには届きませんでした。
僕の夢は、あなたから、皆から笑われただけでした。
誰も傷つけない、ただ温かい灯火を。
心と心、平穏を繋げることができると、啖呵を切ったのに。ああ、戯れ言でしたね。忘れてください。
僕の夢を成し遂げたのは、僕ではなくあなたでした。
皆から認められて、愛されたあなたは、あなたの能力で、尽力で、人徳で、全てを成し得たのですね。
僕は、僕には、何も足らなかった。
だから、だからこうなったのですね。
違う、野望なんかなかった。
世界を陥れるつもりなんてなかった。
力が暴走してしまっただけです。
止めていただけたことに感謝はしています。
僕ができなかったこと、触れられなかった人々の心に、あなたは平気で触れたこと。それは許せません。
僕の心に光はなかったと認めるのが怖いのです。
兄さん、許してください。あなたとまた、笑い合える日がくると願っていること、許してください。
ああ、時間です。兄さん、兄さん。
それでは、また。
12/13/2024, 7:35:58 AM