〈現実逃避〉踵を返して、走って、走って、息も整わない。息苦しさに思わず瞼を閉じたら、今しがた目にして逃げ出してきた光景が鮮明に浮かび上がってきて、慌てて目を開けた。近くの壁にもたれかかって、空を見上げる。雲ひとつ無い青空。自分がとても惨めに感じて、鼻がツンとした。片想い相手が誰かに告白されている現場になんて、どうして出くわしてしまったんだろう。
2/27/2024, 11:05:02 PM