遠く……、霞んだ色だった。
京葉線直通の東京行きの電車だった。
5時半くらいの時刻だったか。
日曜なのに埼玉県内だと混雑していて、千葉県内に入ると人を下ろしていく。
私は東側の席に座っていた。
目の前は西で、後ろは東。
西の向こう側に沈もうとしている冬の太陽があった。
横一辺の綺麗な地平線は望めなかったが、それでも夕焼けの断片が、市街地の雑居ビル群の合間から見て取れた。オレンジ色の鋭い光が、目の前の席の、座っている人の側頭部を焼こうとするように、それはとても赤かった。
トンネルを潜るまで、赤橙色の夕陽が遠くにあった。
東京に沈もうとしているから、この電車は東京行きなのだろう。そう思いながら、高度を下げて地中に潜っていく。車内は暗くなった。
2/9/2025, 9:56:37 AM