「未来を見れる少女?」
唐突に事務所を訪ねてきた彼は、未来が見れる少女がいると話し始めてきた。
どうやら事務所で雇って商売をしないかという話だったのだが、いかんせんその少女には一癖も二癖もある性格をお持ちのようで。
「こちらの事務所で引き取っていただけると‥」
「‥要するに手に余る。ということですね。」
確かに、この事務所にはそういった特殊な能力を持って生まれてきた子たちを引き取って保護するという活動もしているが、公表していない中でどうやって知ったのか。
まぁ、大方親族たちから聞きつけてきたのだろう。
「未来を見る商売なんて、確かに売れはするでしょうね。」
「では契約を‥!」
「しませんよ」
あっけらかんとした表情で目をぱちくりさせながら僕の方を見る彼は、バッグから取り出そうとしていた書類をしまい込み、肩をがっくりと落としていた。
「少女は引き取りますよ。でも商売はしません。
手に余るならどうぞ連れてきてください。
‥大体、人生は不平等で不条理なこともたくさんある。
だから人は努力するんです。
未来を見て良くなったとしても"ツケ"はまわってくるもんですよ」
詐欺師を追い払ってから、もちろんそんな少女も来ていない。
一段とスッキリした気持ちで青空を見上げると、一羽の白い鳥が急くように飛び立っていた。
「やっぱ僕の予知は精度が高い。」
4/20/2026, 12:35:35 AM