枯葉…
…
どちらも正しいし　どちらも間違っていない
好みの問題と言えば　それだけの事

若い方がいい？
みずみずしく潤っていて張りがあって　眩しい
人によるのかな　それは
スーパーに陳列されているまだ青みがかった若い
トマト…
パックを裏返して覗くと　ヘタ周りが真っ白な
イチゴ…
若くても　それは　ちょっと

テレビのCMで見かける『10歳も若く見えます！』のフレーズを聞くたびに　思う
100歳で10歳若く見えても　嬉しいのかな
若く見えることが　正義みたいな
押し売りをされているような　複雑な気持ち

常々思っている
生命あるものは　毎年ひとつ必ず年老いていく
生モノなんだもん
人だっていつまでも　若いままなんて無理
表面も内部も　歳と共に　傷んでくるもんだと

ふさふさの若い芝生をぐんぐん歩いても
踏んだ足の形はすぐ　元に戻っていく
緑の葉を　ぎゅうぅっと強く握っても　同じね
枯葉は　かつて緑だった葉が年月かけて
老いていき　色を変えていく
手のひらに乗せて　ぎゅっと握っただけで
パラパラと　粉になって　風に舞う

若い頃にはわからなかった　力加減を
枯葉の年代になったら　自分にも　周りにも
力加減を調節して　なるべく　優しく
包み込むように　接してあげなくちゃならない
知恵を　授かるのよね

何でもかんでも　力任せに　対応しない
カサカサたてている音にも耳を傾けて
焦らない
落ち着いて　ゆったりと
枯葉を踏む音も　楽しむように
その葉が　緑だった時を　想うように

10歳若く見えなくてもいい
清潔感を心がけて
ただ　そんなふうに　歳を取りたい



*読んで下さり　ありがとうございます*

2/19/2024, 11:42:12 AM