John Doe(短編小説)

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ヴェルサーレ・ラクリメ


私は祈り続ける
時の神が微笑んでくれるまで
ざわめく風がライ麦畑を洗っていく
黄金色に輝く海にたたずんで啜り泣く
雨雲でさえも美しく思える
礼拝堂の庭の長椅子に腰掛けてライ麦畑を見る
私は祈る
時の流れが慈悲をもたらしてくれるまで
私の魂は虚空に向かって叫ぶ
それはどこに届くかも分からない
どこにも届かず、泡となって消えてしまうだろう
この身体が朽ちても構わない

雨は私の涙を吸収して、地に落ちていく
私は狼に恋をした
群れから外れた一匹の狼に
彼は私に子を授けた後、戦いの中で死んだ
時の神は歯車を止めてはくれなかった
貴方は勇敢に戦った
私と私たちの子のために
でも、私は啜り泣くしかない

1/5/2024, 12:40:55 PM