泡沫

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カンカン照りの平日。
夏休み前最後の学校を終え、高揚した気持ちとうんざりした気持ちを抱えて帰る。
周りは陽気で近所迷惑を無視した音で満たされ、夏休みが来るなんて気持ちも歩く度に沈んでいく。休みは好きだが、夏は好きじゃない。
ピロン、と一件の通知。
開くと、学校が終わってはしゃぎ気味の様子が伺える文面と一枚の画像。
「学校終わったよ!やりたい事まとめてみた!!」
そう書いてあった文の下の画像には、彼女の要望や願望がつらつらと書いてある。プール、海、夏祭り、ゲームをする、アイスを食べる……。
くだらない事から定番イベントまで、産まれたての子猫のように元気で明るい彼女が考えそうなことが山ほど載っていた。
今年の夏は忙しくなりそうだ。
なんて思って、少し気分が明るくなる。夏を少し許しそうになる。でも結局暑いので、彼女に免じて星三くらいにしてやろう。
そんなことを思って、会ってないのにその文だけで許せてしまう俺もまた、浮ついているのだと少し苦笑する。
突然声を聞きたくなった。電話しようか迷っていると、一件の着信。
ああ、とニヤついた顔を手で隠して、ボタンを押す。
「もしもし!LINE見た──」

11/15/2021, 11:58:43 AM