劣等星

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「疲れきってしまっただけ」
そう呟いた私の声が、屋上の風に乗って飛んでいく。
きっと、誰にも聞かれてはいないけど。
別に、いじめられたとか、躁鬱とか、そんなものでは無い。
いや、そんなものでは無いからこそ、疲れてしまったのかもしれない。
無駄に「普通」という希望が見えたせいで、余計に疲れていた気がする。
でもそれもこれで終わりなのだ。
4階建て校舎の屋上で、誰も私に気づかない。
呑気にサッカーなんてし始めちゃってさ。
そんな呑気でいられるぐらいがちょうどいいんだろうけど、私にそれは合わなかった。

お母さん、お父さん今までありがとう。そしてごめんね。私は少し、この世に疲れてしまった。
1歩、また1歩と足を進める。
1つ、また1つと私の足は震え出す。



もう全部、終わらせるんだ。
楽になるために、そんな自分勝手な理由で。

空を飛んだその瞬間
「君の声が、聞こえた気がした」

2/15/2025, 3:00:14 PM