無音

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【247,お題:幸せに】

「なんか、...私もうダメっぽそうね」

抱えた身体が何度も苦しそうに震えた、救急車はまだ来ない
彼女は自分の状態をよく理解しているようで、静かに最後の言葉を紡ごうとしていた

「よく聞きなさい。...あんた、絶縁に幸せになりなさいよ」

最後の言葉なんて聞きたくない、でもこれが最後になるかもしれないと思うと
簡単に言葉を遮るなんて出来なかった

勝手に手が震える、怖い彼女が居なくなることが何よりも怖い
前から身体の具合が良くなかったけど、こんな急に悪化するなんて思わないじゃないか

「辛いなら、忘れてもいい...私のこととか、忘れていいから
 何でもいいから幸せになりなさい、」

幸せに...なんて、彼女がいなくなった時点で、僕の幸せなんて無いのと一緒なのに
よく言うよ、僕がどれだけ君が好きなのか君が一番知ってるのに

「...ずるい人...」

3/31/2024, 12:46:33 PM