ヨルガオ(短編小説)

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「もう…終わりにしよう?」

君の手にはライターが握られている。

『……え』

生暖かい風が僕のそばを過ぎ去る。

彼女はしゃがんでカチッと火をつける。

「周りに誰もいないから大丈夫だよ」

「暗くて煙も見えないから…火をつけても大丈夫」

『……おい……ちょっと待て』

彼女は僕の言葉を無視して、火を灯した。

が、火は一瞬で消えた。

「あ…」

『ほら、だから言ったろ。先に蝋燭を固定させろって。だから倒れるんだよ』

「だって難しいんだもん」

『ほら、貸してみろ』

「………おお〜!!やったぁ」

彼女はウキウキで蝋燭の火に手持ち花火を近づける。

やっぱりバーベキューの終わりには花火だよな。


ー終わりにしようー

7/15/2023, 11:24:23 AM