木菟

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泣かないよ

このまま続くと思っていた、終わりはあれどこんな形でなんて。
先日呑気に景色の好い所に足を伸ばそうと話していたのに...

昨今各国で戦争が勃発し連日ニュースで取り上げられ、武力手助けなど該当国でなくても巻き込まれていた。
私は世界事情には疎くよく分からないながらに不安を感じていた、それは皆同じだった。
いつ自国も巻き込まれるようになるのだろう、そんな逼迫した状況であった。
それでもこの国はいつもと変わらない流れで動いていたので少しの不安もそれによって無いものとなっていた。

君の元に一通の赤い手紙が届いた。
とうとう自国も渦中となったのだ。

第一陣になる者へその日届けられたのだった。
私は頭の中が真っ白になった、何故なぜなのでしょう。
自国は何故戦争に参加しなければならないのでしょうか、私にはよく分かりません。
泣き崩れる私に君は静かに寄り添い続けた。
君は私に「必ず帰る。自分の帰る場所でずっと笑顔でいてくれないか、それが自分の頑張る理由になるから」と静かに涙を流しながら慰めてくれた。
君の戻る場所に、君の理由になれるなら。
君の決意と想いを無駄にしないために私は。
私は、君を笑顔で送ります。
行ってらっしゃい、どうぞご無事で。

3/17/2024, 1:32:41 PM