No156

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岐路

はぁはぁはぁ、、
ずっと走っている。追い付かれたくない、、やだ、やだっ、やだ!



今日は雨だ。最悪!傘は忘れた、服はびしょびしょ、最近買ったかわいい髪飾りは落として壊れた、ほんとに最悪!もう、何で傘忘れたかなー私。 
 カッカッカ高いヒールの音とザーザー雨の音だけがなっている。月が高く登り住宅地からの明かりは足元を明るくしてくれている。
あれ?こんなとに道なんかあったかな?まあいいかいつも通り帰ろー
 雨で濡れた髪を拭き重たくなったスーツをハンガーにかけた。冷蔵庫を開けビールを取り出す。静かな部屋にのど越しの音だけが響いた。

何で大人になんかなっちゃたんだろ、
子供の頃はずっーと笑ってられたのに、
なにやっても楽しかったな
学校行って、友達と遊んで、家に着いたら温かいご飯食べて、
「あー、子供に戻りたい」



 ジリリジリリ
えー、もう、仕事の時間かはぁ、
 「かなでー!学校おくれるわよ!」
え、母さん?なんで!?だって3年前になくなったのに。
 「かなでー?」
「なんで、母さんがいるの?」
 「なんでって、変な子ね、、学校におくれるわよ!」
家を出て歩き出す。懐かしい学校への道、あの頃はなんとも思わなかったのに懐かしい、、スキップ混じりで学校についた。
黒板には7月30日と書かれていた。
他の学年は夏休み中、教室の中には就職を目指す子だけが残されていた。

私の机には、白紙の紙。
まだ、決まってないみたい。
懐かしい顔ぶれ、あまりしゃべったことのない男の子や、おしゃれにいつも髪を巻いて登校している友人、
私は、もう一度あそこにいきたいのだろうか?
あの会社で働きたいのだろうか。


学校に行き、なにも書かずに帰ってくる日を続けていた。日付は7月30日のまま進むことはない。
しゃべったことのない男の子に、しゃべりかけてみたり、前とは違うことを色々やってみるようにした。

気づいた、昨日来ていた人が少しずつ減っていることに、よくよく観察していたら、書き終えちゃったんだ、紙を、人生をみんな決めちゃったんだ。
20回目の30日には、私一人の教室になっていた。もう、学校なんて来る意味ないって思うんだけど、サボろうとしても、出来ないの、、、とっても全身が痛くなるのいつもの道から外れるととっても苦しくて息も出来なくてだから、サボるのはやめた。
やっと、白かった紙にペンを走らせた。
前とは、違うとこ、先生に出して帰っていたんだ。
そしたら、そしたら、世界が壊れ始めたんだ。
バラバラって鏡が割れたみたいに
怖くなって走って逃げた。
走って走って、カーブミラーをみたら、誰か壊れた鏡のなかの世界に絶対に映ってるのちゃんとはみれなかった、けど、スーツの女の人血だらけで立ってた。家の前を通っても壊れるのは止まらなくて必死になって逃げてた。

そして、思い出した。あの、女の人私なんだって、なんで?なんで、血だらけなんだろわかんない、わかんないけど、
追い付かれたら、殺される!
私だけ逃げたから?だから、追いかけてきてるの?
やだ、やだっ、やだ!死にたくない!

覚えている道を走っていたら
未来の私の家まで来た、あの時増えてた道、あの先は壊れてなかった。
とっさにそのなかに飛び込んだ。
そしたら、世界が戻った。
スーツで仕事してる私に戻ってた。
家に帰ってお風呂にはいった。
次の日、会社に行ってまた、いつも道理理不尽に怒られた。私のせいじゃないのに、仕事押し付けられて、真っ暗ななか、家に帰りついた。





何であのとき、死にたくない!何て思ったのかな、ベランダに立った私はふと思い出した。
あのとき、このくそ会社に就職なんてしてなければな

グシャッ



戻ったときの私だ、
待って!こっちに来ないで、、
あの道にいかないで!!


あぁ、また、死んじゃうのか、私

6/8/2024, 10:55:02 AM