夜は静かだ。闇夜に立つ住宅街も。
僕は喉が乾いたので、近くの自販機へ。
自販機に行くと、あれ?と思った。
自販機が古いなと。普通ならまだ新しいのに。どうしてだろう。
「まっ、いっか」と言いコインを入れる。
「ん~っと、紅茶で」とボタンを押すと、ガチャンという音とゆう・・・。
気配を感じる・・・僕の側に・・・。
見ないでも分かる。
若い女性、髪は短くさっぱりしている・・・。
「なんだよ、お前か~」
女性は僕の幼馴染みの多江だった。
「誰かな~って思ったら、あんただから、気配をなるべく立てないように近ずいてきたのよ」
すると、黄昏の時間に変わった。
多江は、
「あっ~、こんな時刻か、もう、行かないと」
「えっ?どこえ?」
多江は右手を上に上げて、
「天国、地獄かな?」
すると多江の体がだんだん見えなくなって、
「ありがとう、あんた、けっこう楽しかったよ。もう一度、ありがとう、バイバイ」
そして、消えていった。
僕は泣きながら、そっか確か病院で・・・。
紅茶を取ろうとしたら、ない。
たぶん、多江が持っていったのかな・・・。
と思い、自販機を見ると、新しい自販機に戻っていた。
1/14/2024, 1:27:50 PM