目を開けるとそこには
白いヒラヒラしたワンピースを着た私と
視界一面に広がるお花畑があった。
木々がゆれる音,お花の香りが心地よかった。
この先の景色が気になって歩くことにした。
美しい蝶が飛んでいたり鳥の声が聞こえたり
そこには平和,平穏な世界という
言葉が似合う場所だった。
突然肩に何かが当たった気がして声を上げた。
「わっ」
「驚かせちゃった?ごめんね」
振り向くと白い服を着ている
...男?...女?...人がいた。
声は男の人にしては高いように聞こえて
女の人にしては低いハスキーに聞こえる。
なんで何かわからないけど私には顔が見えなくて
「何じっと見てるの?ほら行くよ!」
そう言って私の手を引くこの人は
私に歩幅を合わしてくれているような気がした。
「あなたは男?女?」
思い切って聞いてみた。
「そんなこと聞いてどうなるの?
秘密が多い方が惹かれるでしょ。」
そう言った声色は
なんだか楽しんでいるように感じとれた。
「そっか,そうだね」
「...13番ここの問題答えて」
ヤッバ寝てた。
良かった〜13番じゃなくて。
夢で見たあの人が
どんな顔しているのか
どんな人なのか
私は気になって授業どころじゃなかった。
私はさっきの夢をずっと見ていたい。
もう私は名前も顔も知らないあの人に
惹かれてるかもしれない。
─────『夢を見てたい』
1/13/2023, 11:07:00 PM