NoName

Open App

君からのLINE
待っていた
ずっと待ってたんだ

なのに

もう遅いんだ
スマホを手に取る
光が、今は眩しい
昔はこれをよく見てた
よくそんなことしてたな
「っくしゅん!」
寒い。
そりゃそうだろう、
一月なんだから。

でも
もうそんなこと
別にどうだっていい

「どうしたんだよ?最近全然連絡ないじゃんかー。
 親友として非常に心配だぞー。連絡よこせよ」

こんなの、ただの社交辞令としか思えない
前だったら素直に喜んでいただろうが
嬉しくないわけじゃない、けど

もう遅いんだよ

『ごめんね。遅いんだよ。
 もっとはやく欲しかった』

こんな不吉な文に合わない
明るい画面
睨みつけながら、
またも不吉な文に合わないスタンプ

ごめん〜!!

こんな文面だ

まぁ、明るい方がいいだろう
君からボイスメッセージが送られてきた
迷いなくタップする
君の声が再生される

、、、、、そっか。

椅子から降りて、
厚い上着を羽織って出る。
だって、タンクトップ一枚だから。
下にカッターが落ちていた。
危ないなぁ

電気を消す
彼の元に向かう
LINEのせいで、予定が狂ったじゃないか

9/16/2023, 10:06:59 AM