やる気のない数学の授業。真面目で成績優秀と言われる俺でも嫌になるくらい、説明が下手な先生がやる授業ったら、つまらないったらありゃしない。
だから、俺は今ら予鈴がなっても教室に向かわず、屋上へと向かっている。そこには、俺の仲間が、味方がいるから。
屋上に着くと、そこには3人の女子生徒がいた。俺の、友達でもあり、仲間でもあり、味方でもある、大切な同級生たちだ。
「お、珍しくサボりー?」
スケッチブックを広げて、屋上から見えるグラウンドを描いているこいつは、後輩の朱里。
「次の授業数学でさ。簡単な所だったから、自分で復讐すればどうにかなりそうだと思って。今日は他のことやりたい気分だし」
俺がそう言うと、楽譜を広げている2人の先輩、ゆなとゆりなが口を開いた。
「さっすが!君は頭がいいからね~」
「そういえば、ゆなはこの前の小テストの追試行ったの?ほら、生物の」
「えー、行ってない!」
「あぁ……」
いつものような2人の会話を聞いて、少し安心する。
「さて!久しぶりに4人揃ったしさ、色々話そうよ!」
「おーいいね!君はなにかやる事あるの?」
「うーん、小説の続きを書きたいな。もう少しで完成しそうなんだ」
「お、じゃあ完成したら見せてよ。お前の小説、面白いからさ」
「私にも見せてー!」
好きなことを共有できるこの4人との時間は、俺の大切な存在だった。
これからも、ずっとこの時間を大切に出来たら。
息苦しい生活、色がない生活を、少しでも彩ることが出来るのかな。
4/8/2024, 12:29:43 PM