極解の魔法使い

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【お題】誰か

『誰か』と、声にした事は無い。
———それが当たり前で、考えた事もなくて。
———助けなんて諦めていた。
そして『誰か』と、声にしたとしても、
———なんとかしてくれるわけでもないし。
———コレはどうしようもない事だとも、わかってた。
それでも、貴方は
貴方はなんて事無い様に助けてくれた。
例え、世にも恐ろしい物を目にしたとしても、
例え、困難で不可能だとされても、
例え、自身の心が、身体が、ボロボロでも、
例え、助けられない事が悪い事でもないのに、
貴方は何時も、手を差し伸べる。
『助けるのは当たり前だ』
と言って、【すくい】あげてくれた。
だから、私/僕は、英雄(ヒーロー)[誰か]になりたい。

《貴方の様な》英雄(ヒーロー)[誰か]になりたい。

例え、貴方の言う
『ヒーローなんて貧乏くじだから止めなさい』
『俺より凄い人は世界に幾らでも居る』
『ヒーローなんてイイもんじゃない』
『俺の事より、困ってる人を助けなさい』
と言われてても(最後は当たり前だけれども)。
それでも、私/僕は

《貴方の様な》英雄(ヒーロー)[誰か]になりたいのです。
貴方が私/僕にしてくれた事を、
貴方が私/僕にしてくれた様に、
今度は私/僕が、
《貴方の様に》肯定する[誰か]に、なりたいのです。

By ある青年に救われた、少年少女達の独白と夢について。

10/3/2025, 4:57:31 PM