Episode.42 何気ないふり
はあ。
"なあに、どうしたの?"
"嫌な事でもあったのか?"
なんも、大きく息ついただけだよ。
"ほんとうに?"
"…"
うん、ほんとだよ。
"…やっぱり代わるわよ"
"ああ、俺も代われるぞ"
いや、いいんだ、1人でやらなきゃ意味無いよ。
"だけど…辛い時に代わるのは私の仕事よ"
"無理して倒れられても困るんだ"
そんなんじゃ普通の人になれないから、大丈夫。
"でも…"
"…わかった、ただ何かあれば無理にでも代わる"
…うん、ありがとう。
"…気持ちが変わったら呼んでもいいからね"
"そうだ、中心はお前だといえ同じ体だ"
わかった、じゃあまた後で。
"気をつけて"
"行ってらっしゃい"
「燈ー?どうした、俺もう行けるけど」
「あー、大丈夫、今行くよ」
「…別に代わっても俺は平気だけど」
「いいんだ、今日は俺が頑張りたい」
「うっし!なら行こうぜー」
何気ないふりなんて無理なのかも。
"私達にもバレてるものね"
"そんだけ大切に思ってる証拠だろ、自信持てよ"
うん、いつもありがとう。
3/30/2024, 2:06:18 PM