たやは

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大事にしたい

おばあちゃんが亡くなってからもう3ヶ月が経つ。おばあちゃんは魔法使いだったが、おじいちゃんと結婚して人間に馴染み過ぎてしまい魔法を使えなくなってしまった魔法使いだ。
おばあちゃんが亡くなったあとにおばあちゃんから螺鈿のネックレスをもらった。おばあちゃんの友人の話しによれば、おばあちゃんが若いころに暮らしていた妖怪の世界へ行くための鍵らしい。
いつか行きたい妖怪の世界。その世界を開ける鍵をおばあちゃんは私にくれた。お前も私の孫だから妖怪の端くれ、妖怪の世界を見て損はない。そんなおばあちゃんの声が聞こえるようだ。
この螺鈿のネックレスは、妖怪の世界から帰ってきても大事にしたい。おばあちゃんと私を繋ぐ唯一の物だし妖怪の端くれとしての私の証だ。

最近、猫又のチィちゃんの言葉が聞こえるような気がする。もちろん魔法なんて使えないし、箒にまたがっても空を飛べるわけでもない。でも、チィちゃんが言うには、チィちゃんが見える時点で私は妖怪としての素質があるらしい。

ん?妖怪の素質?ナニそれ?
たしかにおばあちゃん以外でチィちゃんをナデナデしていた人はいない。おじいちゃんもお父さんもお母さんもチィちゃんが見えてなかったのか。気がつかなかった。

いきなり妖怪の世界に行くのはハードルが高いから、まずは知り合いが欲しい。そう言えば、チィちゃんが妖怪専用のポストがあるから手紙を書けと言っていた。近いうちに手紙を投函しょう。

どんな妖怪さんから返事が来るかちよっと楽しみだ。

9/20/2024, 11:52:40 AM