過去は変えられないからときみは言った。それは確かに嘘じゃない。放った言葉。零れた気持ち。いいこともそうでないことも、みんなみんなバレてしまった。
ひらりひらり、グレイの羽根が目の前でひるがえる。曇り空から抜け落ちたかと思わせるほど、それは淀んだ灰色だった。持ち上がっては落下して。揺れる羽根が風に煽られる。地面でひととき休むことすら許されないみたいに。
厚い雲がものすごい速さで流されていく。向かう未来が同じならいくらでも挽回できるなんて、単純な浅はかさも押し流されていく。
答えははじめから、全部きみが持っている。
『揺れる羽根』『終わらない問い』
10/26/2025, 11:28:15 AM