玉響

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『また会いましょう』
その「また」は二度と訪れないかもしれない。
予定が重なって?遠くへ引っ越さなければならなくて?何となく会う気が起きなくて?社交辞令で?
理由はさまざまだけれど。
二度と会えなくなる可能性は無いわけではない、ということ。


噴水のある公園、時計台の下であなたはそう言ってくれたよね。短針はちょうど私たちを指差してたっけ。
あれから針は何周したんだろう?数えるのも億劫だ。
なのに私はその言葉をまだ信じてる。信じたいんだ。
あなたはまた、あの別れのときのように笑ってやって来てくれるって、信じてるんだ。
どれだけあなたが来なくても。素っ気ない返信でも。返信が来なくなっちゃっても。

それでも、私の時間はずっと止まったままだから。

私は、ずっとここで待ってるよ。この時計台の下で。
誰から指を差され笑われようと関係ない。

「また会いましょう」
その言葉をずっと、信じてるから。

11/14/2023, 9:32:30 AM