雨の午後に、また彼女は全身ずぶ濡れで帰ってきた。
この人はまた傘を持たずに…
「お帰りなさい」
こちらが声を掛けるがまともに目線を合わせない。彼女は何か荷物を持っていた。
女性向けの服だと分かり、買い物でもしてきたのかと手を伸ばすと、渡せないと避けられる。
「これはいいんだ」
暫くしてバスルームから嗚咽が聞こえてくる。問いただすのは簡単だけど、彼女はまた何を抱えてきたんだろう。本来は気持ちに敏感な人。この職に就いてからというもの、今までの生死感は変わってしまった。
優しさだけで きっと
5/3/2026, 1:55:23 AM