神埜

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#幸せに

好きで好きで堪らなくて、ちまちまと時には大胆に愛を伝えたのに、僕の愛に気付かなかった彼は今日結婚する。
彼が隣に立って共に歩むことを決めたのは僕の双子の妹で。
初めて聞いた時には悔しくて悲しくて、どうして僕ではいけなかったの?なんで僕の愛に気付いてくれなかったのと、ひと月ほど毎晩のように枕を涙で濡らした。
それでも、愛憎は紙一重。いくら憎く思っても20数年共に過ごした妹と、僕に愛を教えた男のことを恨みきることは出来なくて、最後はただ幸せになって欲しいと心が叫んだ。
だから今日、僕は彼らの披露宴でいつものように笑って見せた。自分の心が軋むのすら無視をして。

3/31/2024, 1:49:15 PM