「0からの」
Ⅰ はじまり
どうしてこうなってしまったのだろう。
こんなつもりじゃなかったのに。
どこで間違えた?どこで失敗した?
考えても、考えても、分からない。
ただ分かるのは目の前に広がる事実だけで、私は何も出来なかった。
「こりゃー、酷いな」
その場に立ち尽くしてどれくらいの時間が立ったのだろう。
誰かの声がしてはっと意識を戻す。
けれど目の前に広がる光景は何一つ変わっていなくて、これは現実なのだと嫌でも実感してしまう。
そもそもこの光景を誰かに見られたらまずいのではないだろうか。
見つかった後、どうなるかは目に見えている。
とりあえず隠れなければ。
薄暗い部屋、滴り落ちる雫の音、無数に散らばる何かの破片、そして沢山の………。
部屋を一周見渡すが隠れられそうなのは横倒しになったロッカーくらいだろう。
別の部屋に行ければ隠れる場所は幾らでもあるが
さっきの声の大きさから察するに多分近くにいるだろう。
不安はあるがロッカーに身を潜めることにした。
しばらくするとコツコツと足音が聞こえてきた。
足音がだんだん近ずいてくる。
そしてピタッと足音が止む。
そのせいか何かが滴り落ちる音がやけに大きく聞こえる。
「隠れても無駄だぜ、分かってんだからな」
鋭い声が小さな部屋に響く。
アイツの声だ。悪寒が走る。震える体を何とか抑え息を殺す。
足音が近ずいてくる。
まずい、開けられたら全てが終わってしまう。
心臓の音がやけに大きく聞こえる。
まるで全力疾走した後かのように鼓動も脈も何もかも早くなる。
お願い、開けないで。
もう0からのスタートは嫌だ。
必死に願う。しかし願いは届かなかった。
「もう一度0から初めよおぜ!な、リリス?」
アイツの楽しそうな声。止まらない震え。
終わった。絶望の音がした。
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*小説練習の一環としてリレー小説?に挑戦してみようと思います。
どこまで続くか分かりませんがなるべく長く続けたいです。
1つのお題に500字くらいの目安で書いていきます。今日が第1章?になります。
展開も構成もキャラも全く考えていない上に、
その場のノリと勢いだけで書くので、上手くまとまるか不安ですが、良ければお付き合い下さると嬉しく思います。
2/21/2023, 3:24:19 PM