虚和

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【スリル】11月13日

僕は今日4度目の自殺に挑戦する。なぜ4度目まできたかというと、

1度目は、予定していた日に母に止められ家を出れず、
2度目は、学校の昼放課に行こうとしたら弁当に珍しく誘われてしまい、
3度目は、誰かに背中を押された拍子に捻挫で足を痛め歩けなくなってしまった。

そのぐらいでやめるぐらいの覚悟かって?
いや違う。自分の思った通りの形で死にたいんだよ。

今日はとうとう屋上の上まできた。やっとこの世界から消えることができるんだ。

「ま、まって、!!」
誰かと思い振り返る。そこには2度目に失敗した原因の、僕を弁当に誘ってきたやつだった。

名前も知らないやつだった。
「誰だよ」
そいつが言う
「なんか最近◯◯君、様子がおかしいなって少し気になってたんだ。クラスの学級委員さ」

学級委員だからって自殺をとめる事までしなくていいと思うんだけどな。そう思っていたら、予想外の言葉がとんだ。

「足、大丈夫? それも僕がやったんだ」

「 、え?」

そんなことするやつだと流石に思えなくて意表をつかれた。背中を押してきたのはこいつだったのか。

僕はたぶんどこかで少し思ってたんだ。誰かが毎回止めてくれるかもしれないって、
承認欲求かなぁ(笑)
完璧に自殺できるのか失敗してしまうのか。そんなスリルがあって、こう、なんか、ヒュってする気持ち、わかる?楽しかったんだ。

でもだからって、その止め方は無いだろう?

#5

11/13/2023, 8:03:31 AM