君と出逢って
時は戦争時代
この国は負け知らずの国で、毎日が充実した暮らしを
遅れているが、とある男の子はいつも死んだ魚の目をしていた。
その男が運命的な出逢いをした物語である。
僕の世界はいつも色がない世界だ。
面白味のないつまらない人生。よく『自分の人生の主人公は自分自身だ!』なんて言う人もいるけれど、僕なんかは“脇役”としか言いようがない。
いつもも自分なんか必要がないって思ってしまう。
そんな自分が嫌いだ。
今日もいつもものように学校に向かう。
友達なんていない。寧ろ僕と関わりたい奴なんていないだろう。朝のHRが始まって、いつも通りの日常が始まろうとしていた。
だけど今日は違った。転校生が来るらしい。噂によるとかなり変わった人らしい。(まぁ…僕には関係ないけど…)そう思いながら転校生を見た。
その転校生は、高身長金髪で少し長い髪を結んだ、格好良い感じの男子だった。僕はより興味を失った。
(ああいう感じの男子は女子にチヤホヤされるんだろうな…)と思い机に突っ伏して寝ようとしていたら、教師が言った。「席は…__の隣で良いだろ。__、寝ていないで学校案内してやれ。」その言葉を聞いて僕は「はぁ⁉︎」と間抜けな声が出た。こういうのは女子に任せれば良いのに、なんて思いながら傑を案内した。
案内しながら思ったのだが、こんな陰キャだからか共通の話題がない。だからこういうのは、女子や陽キャに任せれば良いのにと思ってしまう自分がいる。
一通りの案内が終わると、僕は早速教室に戻ろうとしたが、呼び止められた。(嫌だなぁ)と思いながら、彼奴の方を向いて要件を聴くことにした。
「何?他に聞いておきたいことでもあるん?」
『いや、ちょっとな。』
「何本当に…。」
『俺と一緒にこの国を変えようではないか』
「はぁ?」(本日二度目)
暫く僕は思考停止していたみたいだ。
それもそうだ。急に変なことを言い出すから。暫く考えてから僕は聞いた。
「どしたん?どっかに頭ぶつけた?保健室なら案内したでしょ?」そう僕が言うと傑は笑っていた。僕は何が可笑しいかわからなかった。
『いやぁwそう言うとはwやっぱり俺が見定めた通りの人材だwお前にしか出来ない。分かってくれるか?』
僕は本当に何を言っているのかわからなかったが、此奴と一緒にいられるのならば、面白いことが起きそうだと感じた。そして此奴の案に乗ることにした。
僕の了承を得ると嬉しそうだった。
ー数十年後ー
本当に国に革命を入れた奴がいた。
其奴は沢山の仲間を引き連れて革命を起こした。
そして革命前よりも負け知らずになり、街も数十年前より住みやすいものになった。
え?
あの死んだ魚の目をした奴は何処にいるのかって?
勿論ちゃんと居るさ。
今は仲間も増えたし、あんなネガティブな考えもしなくなった。寧ろ笑顔が増えた。
やっぱり言えることは、人間は運命的な出逢いをすることで変われる。
いつかはな?
その運命が遅いかは早いか人それぞれ。
その運命の変化が大きいか小さいかでも、人間の変化も大きく変わる。そんなところが、人間の面白味ではないか?
おや?噂をしてると例の彼奴が呼んでいる。
そろそろ行ってくるな。
気が向けばまた話をしてやる。
君も暇になれば来てもいいぞ。
5/5/2024, 11:25:58 AM