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小さい頃に手を繋ぐことって
当たり前にしてたのに
大人になった今
手を繋ぐことってなくなっているなぁ

なんて私の前を歩く家族を見ながら考えた。

冷たい風が私に向かって強く吹く。
寒くてどこかに寄って暖まろうと
足早にお店に向かった。

初めて入るお店。
落ち着いた雰囲気のカフェに心誘われてドアを開けた。
カランカラン
可愛らしい音が鳴った。
珈琲の香りがお店中にふんわり香ってきて
オシャレなカフェを見つけた気がして心踊った。

席に案内されてメニューを見る。
決めきれなくておすすめを注文するすることにした。

「ご注文お伺いします。」

優しい顔をしたおじいさんが聞きに来てくれて

「どれも美味しそうで決めきれないので
おすすめ頼んでもいいですか?」

私がそう言うと

「はい,私のおすすめでいいんですか?」
笑顔でそう聞いてくれたので

「お願いします。」
そういったのを確認しておじいさんは席を離れた。

「お待たせしました。」
そう言って私の目の前に珈琲をおく。
すごくいい匂いがしてとても幸せな気分になった。

「ありがとうございます。」
珈琲を1口飲むといつも
飲んでいるコーヒーが
別物の感じがして衝撃を受けた。

珈琲を飲みながらゆっくりしていると

「今外にいる?
俺今から帰るんだけど一緒に帰らない?」
彼からLINEがきた。

「今カフェにいるの。良いよ帰ろ」
私がそう送ると

「今からそっち行くわ」
そう送ってきたのでもう少しゆっくりすることにした。

「もうすぐ着くよ」
彼からのLINEを見て私はお店を出ることにした。

「ありがとうございました。」
おじいさんがそう言ったので

「美味しかったです。
またおすすめ頼んでいいですか?」
笑顔で伝えると

「お待ちしております。」
優しい声でそう言ってくれた。

温かい気持ちになりながら彼が来るのを待った。
「お待たせ」
彼はそう言って2人の家に向かった。

「ねえ,手繋がない?」
私は彼の方を見て言った。

「なに?いつもは言わないじゃん」
そう言いながら彼は手を繋いでくれた。
彼の手は冷たくて
急いできてくれたことが嬉しくなった。

彼となら手を繋いでどこまでも行ける気がする





─────『手を繋いで』

12/10/2022, 3:17:33 AM