観測者

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物憂げな空

何でもない曇り空が、今日は寂しく見える。
青空に照らされたリビングでぽーっとしていると、何処か郷愁のようなものを感じる。
小さい頃を思い出すからなのかもしれない。
成長するほど記憶は色褪せ、曖昧なものになる。
あまりにもふわふわした記憶は、昔過ごした時間は幻だったのではないかと錯覚させることがある。
でも、身の回りの至る所にあの頃を生きた痕跡がある。
タンスへの落書き、昔使っていた自由帳、いつからか飾らなくなったクリスマスツリー……
春が近付くと、私の胸にはいつも寂しさが付きまとう。

2/26/2024, 5:35:51 AM