récit

Open App

少女は、色の無い青い風景の中、ひとりそぞろ歩いていた。少女は、目的の無い意味を求めている。反響することの無い音のように、漠然とした心は乳白色に塗られていた。

どこからか風がやってきて、やがて少女も恋を知る。
色が無かった青い風景は、赤く煌めきを帯びていった。心は透明に晴れ、世界は鮮やかな色を帯び始める。少女の目的と意味が明確に繋がっていく。

こうして少女は大人になり、無色の青を忘れ去っていく。

「風景」

4/12/2025, 11:49:11 PM