澄んだ瞳に当てられて、気がつくと私の右手にはスカイミラージュが握られていた。
「おじちゃん、ありがとう!!」
姪っ子はビー玉みたいな小さい瞳をキラキラさせて、私の元へ抱き付かんとばかりに駆け寄ると、そのままスカイミラージュを奪い取り去っていった。
姪っ子はたぶんこの後母親にこっぴどく説教され、代金を返しに来ることになるのだろうが、もはや私にはそんなことどうでも良かった。
あの子はスカイミラージュだけではなく、私からとんでもないものを奪ってしまった。
それは、わたしの心だ。
7/30/2023, 2:11:14 PM