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あそこに行ってはいけないよ
あれを食べてはいけないよ
あちらを信じてはいけないよ
いけないよ、と声がする
君とともに生きたかったから

そっちに行ってはいけないよ
それを食べてはいけないよ
そのひとを信じてはいけないよ
いけないよ、と声がする
君のもとに逝きたかったから

いけないよ、と声がする
誰のものかは、分からないけど

‹君の声がする›


それは恋ではないけれど
愛と胸張って言えないけど
日付に託つけた贈り物
口では禁句な感謝の気持ち

‹ありがとう›


『よう、今日は午後からゲリラ雨だぜ』
『そいつはお前さん嫌いな味だぞ』
『あいつ?止めとけ止めとけ関わるな』
『ま、この辺ヤマ張っとけば上出来だろうさ』

『よう、どうしたそんなツラで』
『……あぁ、もうそんな時期か』
『はは!要らん要らん。オレの趣味だ気にすんな』
『まあそうだな、どうしてもってなら
 ちっと一つ頼まれてくれ』

『神‹オレ›に毎日祈ってくれよ』
『ソレ。信仰は力なりって正解な』
『大人になるとみぃんな忘れちまうからさぁ』
『死ぬ迄覚えててくれよ、お前さんは』

‹そっと伝えたい›

2/16/2025, 9:34:54 AM