明嬢

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カーテンの隙間から差し込む光で目を覚ます。
シャッとカーテンを開けると、澄んでいて綺麗で真っ青な空が広がっていた。
まるで地球を呑み込んでしまいそう。
ふとそう思った。
「そろそろ起きなさーい!」と母の呼ぶ声が聞こえてきて返事をする。

身支度を少しして歓談を降りる。
朝ごはんのトーストが焼ける匂いに包まれたリビング。
テレビでは天気予報が写し出されていた。
今日は夕方から雨が振るらしい。
母が作ってくれたお弁当を鞄に入れ、家を出る。
天気予報を思い出し傘を手に取り歩き出す。
学校に近づくにつれ、人が増え出す。
思いの外、傘を持っている人が多くて安心した。

夕方本当に雨が降った。
ザーザーと土砂降りの雨である。
傘を持ってきていない人は可哀相なくらいだ。
委員会の仕事もないため、早く帰ろうと靴箱に向かう。
靴箱で靴を履き替えて傘を探す。
しかし無いのだ。自分の傘が。
入れる場所を間違えたのかと探してみても無いのだ。
名前も書いていなかったから、バレないと思われて盗まれたのだろう。
家までは徒歩で10分ほど。
歩いて帰れないほどではない。
しかし、この雨だと走っても鞄の中身はびしょびしょになるだろう。
スマホでこの先の天気を確認すると、夜までは止まないそうだ。
諦めて走って帰ることにした。
少し雨足も落ち着いてきた頃だし、ちょうど良かったのかもしれない。
鞄を前に抱えて走り出した。
なんとか家に帰り着いたが、制服は重く、髪からは水が滴り、鞄の中身は少しだけ濡れていた。
リビングのソファでくつろぐ前に風呂に入り、体を暖めた。
テレビを見ていると、母が帰ってきた。
「あんた、傘持っていってなかったの?」
と聞かれ、学校であったことをそのまま話す。
「そうだったの。でも、連絡してくれたら迎えに行ったのに」
その手があったかと、思い付かなかった自分に落胆する。
次からはそうしようと心に決めた。

次の日の朝、カーテンを開けると昨日の朝と同じ空が広がっていた。
澄んでいて、綺麗で、真っ青な空が。
快晴だが、昨日びしょ濡れになったことを思い出して恨めしくなった。
今日の天気予報はずっと晴れだそうだ。
放課後の予定は無い。
散歩でもしてから帰ろうと思った。

『晴れの日』

4/14/2024, 2:26:21 AM