【君の奏でる音楽】
蒸し風呂のような暑い日
エアコンなしではとても生活ができなくなっている
僕は空調が完璧に整えられた部屋で机に向かっている
よく冷えたアイスコーヒーの氷がカランと音を立てる
静かな部屋にはエアコンの音が静かに響いていた
不意にペンを置いて席を立つ
窓際に立ち、時計を見る
僕は思いきり窓を開け放つ
もわーっした熱のか溜まりが部屋に侵入してきた
思わず顔を背けるが窓は開け放ったまま
そろそろかな…
耳を澄ます
熱気を切り裂くように甲高い音が聞こえる
僕は目を閉じて音に耳を傾ける
浮かぶのは、いつもの場所で金色に輝くトランペットを吹く君の姿
真夏の暑さに立ち向かうような気迫のこもった演奏をきくと僕の心はにわかに沸き立つ
玉の汗が額に吹き出し拭うこともせず、一心不乱吹き続ける君
夏の午後、
いつもの時間、
君の演奏を聴きたくて窓を開ける
部屋のなかではエアコンが唸りを上げていた
8/12/2024, 3:13:27 PM