私だけ。この世界には私だけがいた。
モノクロのどこまでも続く空と砂。ささやかに風が吹いていて雲と砂が少しづつ流れていった。
私は部屋着と裸足のまま宛もなく砂の上を歩く。
それからしばらく歩いてから砂の上に仰向けで寝転んだ。サラサラとした冷たい砂が身体に心地よかった。そして、そのままモノクロの空を流れる雲を眺めていた。
これは夢だとわかっていた。
変わり映えのしない日常だけど、ただ暑い日が続く日々の中、夢の中で涼むことのできる自分の幸せを砂にまみれ噛み締めた。
7/19/2024, 12:56:20 AM