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「狭い部屋」と聞いて、あまり良いイメージは湧かない。部屋は広いほうがいいに決まっている。賃貸で部屋を借りるなら、家賃の許す限り広い物件を借りたい。しかし世の中には、狭い部屋が魅力的になるパターンもないわけではない。「秘密の小部屋」や「秘密基地」がそれだ。ほんの僅かな空間でいい、なんなら押し入れのなかくらい狭くてもいい。そこを外界と隔絶した自分だけの空間とし、自分の好きなものだけを持ち込むのだ。けっして俗世間や生活感を持ち込んではいけない。スマホなんてもってのほかだ。例えば、柔らかなクッションと1冊の本を持ち込み、心ゆくまで読書に耽るのもいい。例えば、スケッチブックと鉛筆を持ち込み、心のままに落書きをするのもいい。例えば、いまや時代遅れとなったCDプレイヤーで、ミュージシャンのアルバムを聴くのもいい。そんな秘密の小部屋を、きっと誰もが必要としている。

6/4/2024, 2:09:40 PM