【太陽の下で】
太陽の下を貴方と三人仲良く手を繋いで歩いていくことが出来たならどんなに幸せなことなんでしょう。
私が犯した罪は償っても償いきれない程貴方を苦しめ、その周りの人達までも不幸に落とし込めた。
貴方の愛を独り占めしたくて。どうしても一番になりたくて。貴方だけが居てくれればそれだけで良かった。
それだけなのに。
「お母さん?」
「ん?どうしたの?」
小さな手を繋いで夕闇の中を歩く。それは途方もなく、行く場所なんてない。居場所はとうに消え去った。だから私は。
「大丈夫?」
「…何が?」
「おめめからおみずがでてる」
そう言って、小さな手はそっと私の頬を撫でていく。それは私をどうしようもない気持ちにさせる。
「っ、」
もう無理かもしれない。あなたを連れて行くのは。
「、お母さんのこと、好き?」
涙の止まらない顔を無理矢理笑顔にし私は小さなあなたにすがるように問い掛ける。
それにあなたは満面の笑みを浮かべて。
「うん!世界一大好き!」
そうだね。優しいあなたはきっとそう答える。だから私は、あなたを拐ったの。
11/25/2024, 11:25:34 AM