にや

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数年ぶりに街へ出た。いや、家の外でコンビニ以外に出たのも数年ぶりかもしれない。

大学受験で失敗して、三流大学からブラック企業で心身を病んで依頼、自室でずっとモニターに齧りつく日々。

両親は気を遣ってくれてるし、誰と言うわけでもないが、社会不適合者だと言われているようで怖かった。

そんな自分が久しぶりにのめりこんだのが数年前にリリースされたMMORPGだった。武器のカスタマイズがかなりマニアックで、パーツを組み合わせ次第で何通りもの武器に変えられる。工学部志望で機械オタクの自分には魅力的なゲームだった。

そんなゲームのイベントが街であるという。チャットで知り合ったプレーヤーに教えてもらった。相手は人間不審だった自分を外へ連れ出してくれた救世主のような人間だ。

今日、イベント会場で待ち合わせしている。直接会って話ができるだろうか。

アバターの好みで女性アイコンを使っていたが、男と知って引かれないだろうか。

少しだけ怖いが、わくわくした気持ちの方が強かった。それだけ相手を信頼していたんだと思う。

今日は天気が良い。

…そういえば、彼からきた最後のチャット少し様子がおかしかったな。

海の神様が願いをどうの…

今日また話を聞いてみよう。

1/29/2024, 9:07:41 AM