小さい頃から、何かと付けて大きな花畑に連れて行かれた。
そこでなにか生産的なことをするわけでもなく、ただニコニコして花を見ていればよかった。
そんな事もあって花は嫌いだ。彼らは美しいかもしれないけど、到底私の美しさには届かない知能のない美しさだから。
その考えは今でも変わっていないけれど。
「ん、今日は満月だ」
その日ホテルのカーテンを開けると、白い花畑の先に大きな月が浮かんでいた。
月光で白い花畑が道のように見える。
美しいと思った。
いいや花のことではなく、美しさの真ん中にあるのは紛れもなく、花畑を見下ろし微笑む月。
月を愛すなら、花もいつか好きになれる気がした。━━━━━━moon《設定パクリ厳禁》
9/17/2024, 1:25:23 PM