冷たい風が吹き抜けた。空はどこまでも青く遠く、悲しいほどに澄んでいた。あの時言えなかった言葉が胸を締め付ける。あるのは後悔と、寂しさ。そして、今も消えないこの想いだけ。風に手を伸ばす。舞う葉を指先で追いながら、そっと唇を震わせる。「――さよなら」言葉にしてみれば、少しだけ救われたような気がした。
10/24/2025, 9:53:57 AM