モンシロチョウ
実家は学校付近と呼ばれる場所にあった
始業ベルが聞こえてきてからでもギリギリ間に合う近さだった
ある時我が家のキャベツ畑に子供たちの声
聞けばチョウの観察日記を書いているという
母に知らせたら
「せんせにたのまれたけん
理科の勉強するんやって」と呑気に言っている
それからというもの春の菜園は小学校の子供らの巨大飼育箱と化して賑やかだった
一面黄色の花に彩られたキャベツ畑をたくさんの白い蝶が飛び交う姿は確かに圧巻で
観察日記の締めくくりとして絵になる光景だった
今になって思い返すあのたくさんの蝶…人が穴だらけの葉っぱを食べていた記憶はないが
堆肥を入れ農薬を使っていなかったんだろう
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実家を離れて久しい
母校が数年前に127年の歴史に幕を下ろしたと聞いた その後実家も他人に譲った
モンシロチョウを見る度頭をよぎる光景がある
それは母校の制服姿の子供らで賑わう実家のキャベツ畑とそれを2階の窓から微笑ましく覗き見している私…フィナーレは黄色の舞台でのモンシロチョウの乱舞だ
時は緩く流れ続ける
些細な事がかけがえのないものに変わって行く
今ではこれも特別な思い出
5/11/2026, 2:45:29 AM